気の利かない男だから居心地が良い
「こじらせ女子」と呼ばれる女、ねこです🐾
気が利かない人と聞いて思い浮かぶイメージは
気遣いのできない人
思ったことをすぐに言ってしまう人
いつも人任せな人etc...
あまりいいイメージが浮かばないだろう。
私の身近にも気の利かない人がいる😑
それは私の職場のボスだ。
失礼なことを失礼だとわかっててわざわざ言う😑
気分屋で忘れっぽく、人嫌いで、
人付き合いはあまり得意でない人だ。
性格は全く違うし、人として私たちは合うか?
と言われれば、疑問なところはあるが、
私とボスは仕事上の関係では絶対的な信頼があり、
お互い性格は違えども、尊敬しているところは多く、
人として嫌いではない。
そんなボスとの最近の話。
今月の私の一大事は何か?
と聞かれれば、
間違いなく、私は父のことをあげる。
新型コロナウイルス下での救急対応に始まり、緊急入院と命の選択。
「すぐに亡くなる可能性もあります。」
と言われても、
コロナ対策のため付き添えるわけでもなく、
手続きが終わると、父は1人入院していった。
実家に帰宅できたのは深夜3時頃だった。
そこから家族の話し合い。
だが、この話し合いに終わりがあるハズがなく、
私は朝からの仕事のため、早朝我が家へ帰宅した。
気分的にも体力的にも正直クタクタだった。
そしてそのまま仕事へ。
仕事へ行けば、私が仕事を回す立場だ。
クヨクヨしている時間はなく、
いつも通り厳しくテキパキと仕事をした(つもり)🙄
仕事後帰宅するとPくんがいつも通りお出迎え🏠
本当ならすぐにでも寝たかったが、
家の様子的にご飯はまだ食べていない。
私が作るご飯を待っている、、、(-д-;)
いつも通り私はご飯を作った。
このときはまだPくんに父のことは話せていなかった。
話せなかったのはいろんな理由があるが、
今日は割愛🙄
夕食を終え、いつもなら食後の団欒♪
となるところだが、
私は先日からの疲れがドッときて、
気分は団欒どころではなかった。
「ちょっと今日は疲れてるから寝る」
と言ってベッドに入った。
体は疲れているのに、なかなか眠れなかった。
寝ている間に父に何か起きて連絡がくるかもしれない。
そのときにすぐに出かけれるように、
少しでも寝て体力を溜めておかなければいけない。
でも寝ている間に連絡が来ても
気付かないかもしれない。
寝るに寝れない浅い睡眠のまま、朝を迎えた。
朝起きると、全く寝た感のないぐったり感。
完全にオール2日目の気分だった。
それでも私は朝から仕事だ。
いつも通り仕事へ行き、
いつも通り偉そうに仕事を終え、
いつも通り職場の1人部屋で残業😑
その日は疲れていたからか、
残業しながらなんだか悲しくなってきた。
そんなときに、
気の利かないボスが私の部屋にやってきた。
🐻とーちゃんの具合どうなのよ?
前置きなく、ボスは私に投げかけた。
ボスと私は仕事では派手にやり合っているが、
意外と何でも話せる仲だ🐻🐱
私の過去の恋愛遍歴から今のPくんとの同棲生活、
お金の事情や家族や友人との話など、
ボスにはたいがい話していて、
過去の彼氏なんかよりも私の事情を知っている。
私もボスの過去の話やら愚痴やら家族の話をよく聞いている。
今回の父の容態的には、
仕事にも影響をきたすかもしれないため、
私はボスにはその都度近況報告をしていた。
仕事上とはいえ、私の現状を知っている唯一の存在だ。
事情を知っているにしろ、
相変わらずボスは自由気ままに当たり散らし、
失礼なことはいつもと変わらず言い、
大量の仕事を私に振ってくる😑
その日も
「ねこさんは何の為にここにいる💢
なんだこの有り様は💢(部下のミスのこと)
こんなできないスタッフをそのままにしてていいのか💢
それをできるように育てるのが仕事だろ💢
それができないならいる意味がない💢」
と私に大激怒していた💧
いつもと変わらないボス。
が、疲れ果てている私の様子を心配はしてくれているのだろう。
用もなく部屋に来たボスからの言葉で
🐱(思い返せば、昨日も今日もやけにボスは私の周りをチョロチョロしていたかも🙄)
なんて思った。
(⬆︎失礼な部下だ笑)
人のいない時間を狙って話をしにきてくれたのだろう。
仕事量を減らす気はないが、
気の利かないボスなりに気にしてくれていたのだと感じた。
(⬆︎失礼続き🙄笑)
私は先日ドクターから言われた事を詳細に話し始めた。
いつどうなるかわからない状態が続いていること、
命の選択をしたこと、
家族に責められたことetc...
今まで誰にも話せなかった話だった。
ボスはその話を聞きながら、
🐻へー。そんなことに急になったの?
🐻どうしてそんなことになるの?
🐻コロナってそんなに大変なんだー。
🐻へー。
🐻ほー。
ただ自分の気になったことを聞くだけ👂
気の利いた言葉や慰めなどはない。
さすが気の利かないボス🐻笑
でも、この何の感情もなく、
ただ話を聞いてくれているボスには気兼ねなく今の自分の気持ちを話せた。
そして私は話しているうちに涙が出てきた。
病院で父の状態を聞きショックで泣きたい気分だった。
そんな気分に浸る暇もなく、父の命の選択をした。
自分の選択で父の未来が決まる
この選択の重さに私は泣きたくなった。
誰にも話せず決めた選択。
何も知らない父と母の呑気な会話を聞いて泣きそうになった。
帰りたいという父を見て、
願いを叶えてあげれない自分と葛藤し、泣きそうになった。
最後の別れになるかもしれないのに、父と母に何も言えない自分の選択に泣きそうになった。
家で母と姉に説明したとき、
姉に責められ、母が泣いているのを見て、泣きそうになった。
家に帰ってからもいつ病院から連絡が来るかと不安になり、泣きそうになった。
何もできない自分といつも通りの仕事とPくんとの生活を送っている自分に泣きそうになった。
泣きそうになるタイミングは何度もあったが、
私は今まで泣かなかった。
泣けるタイミングがなかった。
その私がこのタイミングで、
この気の利かないボスのおかげで、
初めて泣けた。
泣いている私を見ても、
ボスは顔色1つ変えず、
慰めの言葉も気の利いた言葉も相変わらず言わず、
ただ、
🐻大変だねー。まあ人はいつか死ぬから。
今日は早く帰って寝たら?笑
なんて笑っていた。
いつも失礼で気の利かないボスだが、
やっぱり私はこのボスの存在はありがたい。
恋愛感情ではなく、
こういう存在の人がいるということは救われる笑
気が利かない男の居心地の良さに、
私は案外救われているのかもしれない🙄